全開加速時の息つきは、予想通りキャブの調整で大体おさまった。頼んでいたカバーも届いて、納車も一段落したら、オープンカーには最高の季節になってた。そこで、会社は年に1度の長期休暇をとり、当時お付き合いのあった女の子を横にのせて、北海道へ納車旅行へ出かけた。本当なら女の子と2人で宿を転々とする北海道一周温泉旅行、としゃれこみたいところだったけど、スパイダー買ったばかりで財布がとても寂しかったので、江別(札幌の近く)に住む友人宅に転がり込み、ここを拠点にして毎日ツーリングに出かけることにした。ちなみに、前に乗ってたベレGは、この友人にあげたので、図らずも感動の再会となったのであった。
舞鶴からフェリーに乗り、阪神大震災が20時間続くようなものすごい揺れを経験した後、小樽に着くと、その日はちょっと雨。初めての雨天走行で「雨漏り→助手席の女の子が怒り出す」という図式が頭をよぎったけど、張り替えたばかりの幌はしっかりしていて、小雨程度なら全然大丈夫。ほっと胸をなで下ろして、本場の札幌ラーメンを食べた。
雨に降られたのは初日だけで、それから1週間はすごい良い天気。積丹へ寿司を食いに行ったり、富良野〜美瑛方面へツーリングに行ったり、山奥の温泉へ行く途中で野鹿に会ったり、函館の夜景を見に行ったり、そりゃあもう楽しかった。中でも美瑛の丘を抜けるワインディングは、コーナーをクリアするたびに一面の緑(牧草)に覆われた新しい景色が開け続き、スパイダーでここまで来て、ほんっとうに良かったと感じた。また、広い牧草地の真ん中にぽつんと立っている樹の陰での昼寝は、一生で一番気持ちの良い昼寝だった。
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